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【眞宗宏至税理士事務所】セカマチ実践編!事業承継は「いつか」ではなく、早くから準備を始める。

支援者インタビュー

公開日:2026/08/05

【眞宗宏至税理士事務所】セカマチ実践編!事業承継は「いつか」ではなく、早くから準備を始める。

中小企業の経営者にとって、事業承継やM&Aは、人生の中でも大きな決断の一つです。

会社を誰に引き継ぐのか。
いつから準備を始めるべきなのか。
どのような状態で進めれば、より良い選択につながるのか。

特に、売り手側の経営者にとって、M&Aや事業譲渡は多くの場合、一度きりの経験です。社内に簡単には相談できず、経営者一人で悩みを抱えながら進めるケースも少なくありません。

眞宗宏至税理士事務所は、税理士・事業承継士として、中小企業の事業承継やM&Aに関する相談を支援しています。特徴は、税務や手続きの専門知識に加え、代表の眞宗宏至様自身が30年にわたり製造業を経営し、その後にM&Aによる事業譲渡を経験していることです。

売り手側の経営者は、何に迷い、どこで不安を感じるのか。
そして、事業を次につなぐためには、どのタイミングで動き出すべきなのか。

現在の支援内容やセカマチの活用方法、事業承継に悩む経営者へのメッセージについて、眞宗宏至様に伺いました。

インタビュイー紹介

支援者紹介:眞宗宏至税理士事務所 代表 眞宗宏至様

眞宗宏至税理士事務所

税理士・事業承継士として、中小企業の事業承継やM&Aに関する相談を中心に支援。代表の眞宗宏至様は、お菓子の製造業を30年にわたり経営した後、M&Aによる事業譲渡を経験。その後、税理士として登録し、自身の経営経験と税務の専門知識を活かしながら、売り手側の経営者に寄り添った支援を行っている。

目次

  1. 30年の経営経験を経て、税理士・事業承継士へ
  2. 売り手側の経営者に寄り添うM&A・事業承継支援
  3. 「急ぎ」か「時間をかけるか」で支援の入り口が変わる
  4. 事業承継は、早く動くほど選択肢が増える
  5. 経営者と同じ立ち位置で話を聞くこと
  6. セカマチは、支援できる企業を見つけるための情報接点
  7. 企業ごとに言葉を変え、相談のハードルを下げる
  8. M&Aは、事業の終わりではなく次へつなぐ選択肢
  9. まずは信頼できる支援者と、早めに話してほしい
  10. 成長加速マッチングサービスとは
  11. サービスの役立つポイント

30年の経営経験を経て、税理士・事業承継士へ

——まず、眞宗宏至税理士事務所の活動内容について教えてください。
眞宗様:
現在は、税理士・事業承継士として活動しています。ただ、私の場合は少し出発点が違っていて、もともとはお菓子の製造業を30年ほど経営していました。

「ヘクセンハウス」というお菓子の家という意味の会社名で、会社名のような、かわいらしいお菓子を製造・販売していました。その事業をM&Aで譲渡した後、税理士として登録しました。

実際に会社を経営していた人で、税理士として活動している人は多くないと思います。だからこそ、経営者に近い感覚で支援できるのではないかと考えています。

——現在の相談内容は、一般的な税理士業務が中心なのでしょうか。

眞宗様:
もちろん税務の知識は必要になりますが、現在は申告書作成や財務諸表の作成といった通常の税理士業務よりも、M&Aや事業承継に関する相談が中心です。

特に多いのは、売り手側の経営者からの相談です。買い手側は、M&Aを複数回経験することもありますし、専任の担当者がいる場合もあります。一方で、売り手側の中小企業経営者にとっては、基本的に一度きりの経験です。

社内にも簡単には言えませんし、専任スタッフがいるわけでもありません。多くの場合、社長一人、もしくはごく限られた人だけで進めることになります。そこに不安や迷いが生まれやすいのです。

売り手側の経営者に寄り添うM&A・事業承継支援

——売り手側の経営者は、どのような悩みを抱えやすいのでしょうか。

眞宗様:
「このまま話を進めていいのか」「本当に今がタイミングなのか」と迷うことが多いと思います。

仲介会社に相談することもできますが、仲介会社は基本的には成約に向けて動きます。仲介会社は、もちろん大切な存在ですが、経営者の気持ちの揺れや迷いを、すべて受け止めてもらえるとは限りません。

私自身も、自社のM&Aを進めていた時は、気持ちが上がったり下がったりの連続でした。特にコロナ禍の時期は、事業環境も大きく変わり、M&Aを一度中止したこともあります。

その後、業績を立て直し、改めて進め直して事業譲渡に至りました。自分自身が売り手側として悩んだ経験があるからこそ、同じ立場の経営者に寄り添いたいという思いがあります。

——税理士としての専門性は、どのような場面で活きるのでしょうか。

眞宗様:
M&Aや事業承継には、必ず税金の問題が関わります。会社を譲渡すると、ある程度まとまったお金が入ってきますが、そこから仲介手数料や税金も発生します。

重要なのは、最終的に経営者の手元にいくら残るのかです。単に売却金額を見るだけではなく、税務面も含めて、経営者個人にとってどういう結果になるのかを考える必要があります。

普通の仲介会社であれば、成約後の税金や個人の手残りまで深く関わらないこともあると思います。私は、経営者個人の立場に立って、そこまで含めて支援することを大切にしています。

「急ぎ」か「時間をかけるか」で支援の入り口が変わる

——相談を受ける際、最初に確認していることはありますか。

眞宗様:
まず確認するのは、経営者の意向です。急いで進めたいのか、今すぐではないけれど将来を見据えて準備したいのか。ここが大きな分かれ目です。

急ぎの場合は、何かしら急がなければならない理由があるはずです。たとえば借入の負担が重い、資金繰りが厳しい、体調面の不安があるなどです。その場合は、その前提で現実的な進め方を考えます。

一方で、今すぐではなく、数年先を見据えているのであれば、できることはたくさんあります。会社の状態を整えたり、必要な情報を書類として準備したり、業績を改善したりすることで、将来的により良い条件を目指すこともできます。

——早く売ることだけが正解ではないということですね。

眞宗様:
そうです。早く進めたい方には早く進める方法を考えますが、時間をかけてもいいからより良い条件を目指したい方には、どうすれば会社の価値を高められるかというところから一緒に考えます。

私自身も、一度M&Aを中止した後、事業の状態を立て直してから譲渡しました。その経験があるので、「今すぐ売る」だけではなく、「より良い状態をつくってから次につなぐ」という考え方も大切だと思っています。

事業承継は、早く動くほど選択肢が増える

——事業承継やM&Aは、相談するタイミングが遅くなりがちなのでしょうか。

眞宗様:
とても多いです。だからこそ、私は「早ければ早いほどいい」と伝えたいです。

もちろん、今すぐ売却や承継をする必要はありません。ただ、準備だけは早く始めた方がいい。スタートラインには立っておいた方がいいと思います。

中小企業では、書類や契約関係、財務情報が十分に整理されていないこともあります。いざ必要な書類を出そうとしても、「どこにあったか分からない」「調べてみないと分からない」となってしまう。そこで時間がかかることも多いです。

——経営者自身の健康面も関係してきますか。

眞宗様:
大きく関係します。みなさん健康には自信があると思います。ただ、60代、70代、80代になれば、病気のリスクは高くなります。

体調が悪くなってから動き出すと、準備ができないまま進めざるを得なくなることがあります。後継者がいない状態で急いで進めると、条件面で不利になる可能性もあります。

だからこそ、まだ元気なうちに、今すぐではなくても準備を始めておくことが大切です。選択肢を持っておくことが、経営者自身を守ることにもつながります。

経営者と同じ立ち位置で話を聞くこと

——眞宗様ならではの支援の強みは、どのような点にあると感じていますか。

眞宗様:
やはり、経営者と同じ立ち位置に立てることだと思います。

士業の方は専門家としての知識を持っていますが、実際にお金を借りて、個人保証をして、事業を回してきた経験がある方ばかりではありません。製造業であれば、設備投資もありますし、資金繰りもあります。経営者は、そうした重みを背負いながら判断しています。

経営者からすると、専門家の話を聞きながらも、「本当にこちらの気持ちが分かっているのだろうか」と感じる場面もあると思います。私自身も経営者時代には、そう感じることがありました。

だからこそ、私は単に税務や手続きの話をするだけではなく、経営者の気持ちに寄り添って支援したいと思っています。特に同じ製造業の方から相談を受けると、自分の経験と重なる部分も多く、気持ちが入ります。

——専門知識だけでは解決できない部分があるということでしょうか。

眞宗様:
そう思います。専門知識だけで解決できるなら、AIやチャットだけでもよいかもしれません。

でも、事業承継やM&Aは、経営者の人生そのものにも関わります。気持ちの整理や、次の人生をどう考えるかという部分も大きい。そこに寄り添うことは、人が支援する意味の一つだと思っています。

セカマチは、支援できる企業を見つけるための情報接点

——セカマチは、現在どのように活用されていますか。

眞宗様:
登録していて、毎日のように確認しています。朝、会社に来てから見るのが日課になっています。

自分が支援できそうな企業があるか、相談内容や会社情報を見ながら確認しています。地域や会社の規模、相談内容などをもとに、ある程度スクリーニングできるのは、とても良い点だと思います。

——具体的に、どのような点に価値を感じていますか。

眞宗様:
普通であれば、企業がどのような課題を持っているのかを知ることは簡単ではありません。セカマチでは、企業概要や相談内容が書かれているため、「この会社であれば、自分が支援できるかもしれない」と判断しやすいです。

特に事業承継やM&Aは、表に出にくい相談です。経営者自身も、誰に話せばよいか分からないことが多いと思います。そうした企業の情報に触れられることは、支援者側にとっても大きな価値があります。

企業ごとに言葉を変え、相談のハードルを下げる

——事業者にコンタクトする際、意識していることはありますか。

眞宗様:
本来であれば、一社一社に合わせて文章を変えることが大切だと思っています。どうしても定型文のようになってしまう部分もありますが、企業の課題や会社情報を読んだうえで、その方に合うような言葉にしていくことが必要です。

相談内容や企業情報を踏まえて、「なぜ自分が支援できると思ったのか」を伝えることができれば、より相談につながりやすくなると思います。

——セカマチに今後期待することはありますか。

眞宗様:
事業承継やM&Aに関して言えば、経営者の年齢層が分かると、より支援のイメージがしやすいかもしれません。

顔写真まで必要とは思いませんが、たとえば何十代なのかが分かるだけでも、経営者の状況を想像しやすくなります。年齢によって、抱えている悩みや伝えるべきことも変わります。

相談内容や会社情報に加えて、経営者像がもう少し見えると、より踏み込んだメッセージを届けやすくなるのではないかと思います。

M&Aは、事業の終わりではなく次へつなぐ選択肢

——事業承継やM&Aに踏み出せない経営者には、どのような心理があるのでしょうか。

眞宗様:
会社を手放すことに対する不安は大きいと思います。

長く社長をしていると、ずっと「社長」と呼ばれます。会社を譲渡したり、廃業したりすると、その立場が変わる。これは想像以上に大きな変化です。

私自身も、事業譲渡後に工場へ行った時、社員から「眞宗さん」と呼ばれたことがありました。もう社長ではないので当然なのですが、やはり大きな変化を感じました。

——経営者にとって、肩書きや役割の変化も大きいのですね。

眞宗様:
そうです。だから、事業承継やM&Aを考える時は、会社のことだけでなく、その後の人生も考えた方がいいと思います。

社長ではなくなった後に何をするのか。趣味でも、ボランティアでも、新しい仕事でもいいと思います。次の目標があると、事業を次に託すことに前向きになりやすい。

M&Aは、自分がやってきたことがそこで終わるという意味ではありません。別の方が事業を引き継ぎ、もっと大きくしてくれるかもしれません。自分が築いてきたものが継続していくという見方もできます。

私の事業も、譲渡先の会社が「ヘクセンハウス事業部」として続けてくれています。その事業がもっと広がっていけば、自分がやってきたことが次につながったと思える。そう考えることができれば、M&Aは前向きな選択肢になると思います。

まずは信頼できる支援者と、早めに話してほしい

——最後に、事業承継やM&Aについて悩んでいる経営者へメッセージをお願いします。

眞宗様:
まずは、早めに相談してほしいです。今すぐ売却する、今すぐ承継するという話でなくても構いません。準備だけでも始めておくことが大切です。

事業承継は、早く動けば動くほど選択肢が増えます。会社の状態を整える時間もできますし、より良いタイミングを見極めることもできます。逆に、体調や資金繰りなどの理由で急がざるを得なくなると、選択肢が狭くなってしまいます。

——セカマチも、相談のきっかけになるのでしょうか。

眞宗様:
そう思います。経営者の中には、事業承継やM&Aについてモヤモヤしていても、誰に相談すればよいか分からない方が多いと思います。

セカマチを通じて、信頼できる支援者と出会うことで、少しでも前に進むきっかけになるかもしれません。事業を終わらせるのではなく、次につなぐための選択肢として、早い段階から考えていただければと思います。

一人でも多くの経営者が、早めにスタートラインに立ってくれたら嬉しいです。

成長加速マッチングサービスとは

中小企業庁が運営する成長加速マッチングサービス(通称:セカマチ)とは、成長志向の事業者と支援者をつなぐオンラインのマッチングプラットフォームです。

事業者は「資金調達・事業承継・経営相談」といった挑戦しようとしている課題を登録し、支援者(金融機関や認定支援機関等)から面談の申し出(コンタクト)を受けられます。事業者が申し出を許諾することでマッチングが成立し、課題解決に向けた面談へと進みます。

金融機関にとっては、地域企業との新しい接点を築き、ニーズに応じた最適な出会いを実現できる点が大きな特徴です。

サービスの役立つポイント

事業者に役立つポイント
●取り組みたいテーマ(挑戦課題)に対して、解決可能な支援者から直接コンタクトを受けられる
●金融機関、投資機関、認定経営革新等支援機関など、国が認めた支援機関のみが登録しているため安心
●情報公開する支援者の範囲を選べるため、希望する支援者に限定してアプローチを受けられる。

支援者に役立つポイント
●中小企業庁の運営するサービスで安心
●約40,000社の事業者が登録しており、無料でコンタクト可能
●事業者の財務データや基本情報に加え、事業者の取り組みたいテーマ(挑戦課題)の具体的な内容を確認できる
●市区町村レベルでの事業者検索や、事業者が取り組みたいテーマ(挑戦課題)の種類(資金調達/事業承継/経営相談)の検索が可能で、自身の専門性に合った事業者に出会える

サービスの仕組み
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