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【株式会社萬年】「価格」ではなく「構造」で勝つ。異業種出身の後継者による成長戦略

事業者インタビュー

公開日:2026/03/23

ミーティング中の望月雄太氏

中小企業庁が運営する成長加速マッチングサービス(通称:セカマチ)。それは、成長志向の事業者と支援者をつなぐ、変革のためのプラットフォーム。
今回、この場に挑戦の課題を登録した株式会社萬年の代表取締役・望月氏に、構造転換の裏側と今後の展望を聞いた。同社が、IPOや売上100億円を目指す上で直面する「時間」と「組織」の課題。そして、それを乗り越えるために実践している「構造を変え続ける」ための具体的な取り組みを紐解く。

インタビュイー紹介

事業者紹介:株式会社萬年 代表取締役社長 望月 雄太 氏

株式会社萬年

「豊かで気持ちの良い世界の実現に向けて」という想いのもと、電子廃棄物のリサイクルやIT資産のライフサイクル管理(LCM事業)を展開しています。PC等のIT機器の買取・データ消去から、小型家電リサイクル認定事業者としての資源循環までを一貫して手掛け、便利さの裏側にある「大量廃棄」という課題に正面から挑戦。手作業による丁寧な解体と確かな技術力で、すべての廃棄物に新たな価値を見出し、持続可能な社会(サステイナブルな世界)の実現に貢献しています。

目次

  1. 異業種からの参画。最初の挑戦は「入社」という決断
  2. 成果報酬型の失敗。個人プレーの限界
  3. 2次請けから1次請けへ。価格競争からの脱却
  4. フローからストックへ。安定と拡張を両立する戦略
  5. 家族経営からの脱却。ガバナンスの再構築
  6. 次の挑戦。LFP電池とグラフェン
  7. これから求めるパートナー
  8. 恐れずに踏み出す。成長の本質
  9. 「構造転換」で壁を越える『セカマチ』で出会うパートナー
  10. 成長加速マッチングサービスとは?
  11. サービスの役立つポイント

異業種からの参画。最初の挑戦は「入社」という決断

望月氏は東京出身。前職はITエンジニア育成を行うベンチャー企業で営業責任者を務めていた。
萬年への入社は、結婚がきっかけだった。創業者である会長が台湾出身であり、台湾で行っていた事業が環境規制により継続できなくなったことを機に、日本でリサイクル事業を立ち上げた。
2017年7月、望月氏は萬年に入社する。当時の従業員は役員を含めて5名。
「正直、業界もビジネスモデルもまったく違いました。ただ、やるからには大きくしたいという思いだけはありました」
異業種からの参画は、挑戦の始まりにすぎなかった。

成果報酬型の失敗。個人プレーの限界

入社後、望月氏は前職での経験をもとに、成果報酬型の給与制度を導入する。
しかし、この挑戦は挫折となる。
通信や保険のように商品が定型化されているビジネスとは違い、萬年のサービスは顧客ごとにカスタマイズ性が高い。営業がどの案件を取りにいくか、どの条件で提案するかによって、会社全体の方向性が変わってしまう。
「歩合制にしたことで、みんなが“自分の最適”を追い始めてしまった。結果として、会社としての足並みが揃わなくなりました」
個人が成果を出すことと、組織が強くなることは必ずしも一致しない。この経験から、望月氏は「組織で戦う」構造へ舵を切る。

2次請けから1次請けへ。価格競争からの脱却

萬年の大きな転機は、事業モデルの転換だった。
当初は、同業他社から仕入れる“2次請け”の立場。価格競争に巻き込まれやすく、規模を拡大するほど高値での仕入れが難しくなる不安定な構造だった。
そこで戦略を転換する。
仕入れ元と直接取引する“1次請け”モデルへ移行。大手企業とのパイプを構築し、取引構造そのものを変えた。
「価格で勝つのではなく、構造で勝つ。ここが変わったことで、会社としての自己効力感も大きく変わりました」
個人プレーから組織戦へ。価格競争から価値提供へ。
萬年は構造転換を繰り返しながら、成長基盤を築いていく。

フローからストックへ。安定と拡張を両立する戦略

リサイクル事業はフロー型収益が中心だった。
規模拡大に伴い固定費が増える中で、収益の安定性が課題となる。
そこで新たに力を入れたのが、PCレンタル・販売などのLCM事業。ストック型収益の比率を50%まで高める戦略を掲げている。
「固定費が増えても耐えられる構造をつくる。その上で攻める」
事業ポートフォリオを戦略的に再設計することで、拡大と安定の両立を目指している。

グラフェン研究の様子
グラフェン研究の様子

家族経営からの脱却。ガバナンスの再構築

もう一つの大きな課題は、組織そのものだった。
創業家による経営体制の中で、規模拡大に伴い公私の境界、権限移譲、ガバナンスの整理が重要となる。
望月氏は内部監査機能を強化し、家族と会社の線引きを明確化。さらに若手10名によるプロジェクトでMVVを再定義した。
新ビジョンは「Re-Meaning Company(意味を再定義する会社)」
ミッションは「資源から次の社会を見つけ出す」
「ミッションは抽象的だからこそ、中間管理職が具体に落とす役割を担わなければいけない。そこが機能しないと組織は歪みます」
組織の拡大は、人の拡大でもある。構造と文化の両面で再設計が進んでいる。

次の挑戦。LFP電池とグラフェン

現在の最大の挑戦は、LFP(リン酸鉄リチウム)電池リサイクルと、超高性能グラフェンの大量生産事業だ。
台湾の特許保有企業と3カ月で日本独占契約を締結。既存のリサイクル実績、大手との営業パイプ、そして台湾ルーツを持つ経営陣の橋渡しが後押しした。
今後はホールディングス化も視野に入れ、萬年本体と新会社それぞれでIPOを目指す構想もある。

これから求めるパートナー

事業拡大と多角化を進める中で、求める支援は明確だ。
・IPO・財務戦略を推進できるCFO
・信頼できるM&Aパートナー
「新規事業をゼロからつくるだけでなく、“時間を買う”という選択肢も必要です」
成長を加速させるためには、外部の力も必要だと語る。

恐れずに踏み出す。成長の本質

最後に、これから挑戦する経営者へメッセージを尋ねた。
「死なないリスクなら、まず踏み出す。やるべきことをやった上で離れていく人がいるなら、それは仕方がない。怖がらずに発信し、動くことが、結果として文化をつくります」
個人プレーから組織戦へ。
2次請けから1次請けへ。
フローからストックへ。
家族経営からガバナンス強化へ。
萬年の成長は、偶然ではなく“構造転換”の連続だった。
その挑戦は、まだ終わらない。

ミーティングルームでのディスカッションしている望月雄太氏と社員の皆さん
ミーティングルームでのディスカッションしている望月雄太氏と社員の皆さん

「構造転換」で壁を越える『セカマチ』で出会うパートナー

株式会社萬年が、痛みを伴う改革を恐れず、外部の知見を取り入れることで「個人戦」から「組織戦」へと構造を作り変えたように、事業を次のステージへ進めるには、自社の在り方を客観視する必要があります。
しかし、IPOやM&Aといった未知の領域への挑戦や、組織の抜本的な改革を自社リソースだけで完遂するには、あまりに多くの時間がかかります。スピード感を持って変革するためには、専門知識を持つ外部パートナーとの協力も一つの手段です。
中小企業庁の「成長加速マッチングサービス(セカマチ)」なら、あなたの会社の課題に即した専門家と出会い、成長を加速させるきっかけに出会える可能性があります。次なる挑戦への足がかりとして、ぜひご活用ください。

成長加速マッチングサービスとは?

事業の拡大など新しい挑戦を考えていても、「どこに相談すればいいのか分からない」とい
う悩みを抱える事業者は少なくありません。一方で、企業を支援する専門家にとっても「支
援を必要としている事業者となかなか出会えない」という課題があります。
その両者をつなぐために、中小企業庁が立ち上げたのが成長加速マッチングサービス(通
称:セカマチ) です。
事業者は、セカマチで自社が取り組みたいテーマ(資金調達・事業承継・経営相談)を登録
すると、国が認めた支援者(金融機関や認定支援機関)から相談の申し出をうけることがで
きます。

成長加速マッチングサービスとは?

サービスの役立つポイント

事業者に役立つポイント
●取り組みたいテーマ(挑戦課題)に対して、解決可能な支援者から直接コンタクトを受けられる
●金融機関、投資機関、認定経営革新等支援機関など、国が認めた支援機関のみが登録しているため安心
●情報公開する支援者の範囲を選べるため、希望する支援者に限定してアプローチを受けられる

支援者に役立つポイント
●中小企業庁の運営するサービスで安心
●約40,000社の事業者が登録しており、無料でコンタクト可能
●事業者の財務データや基本情報に加え、事業者の取り組みたいテーマ(挑戦課題)の具体的な内容を確認できる
●市区町村レベルでの事業者検索や、事業者が取り組みたいテーマ(挑戦課題)の種類(資金調達/事業承継/経営相談)の検索が可能で、自身の専門性に合った事業者に出会える

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