【 株式会社 永野商店】焦らず積み上げる。三代目が描く、100億円への道
公開日:2026/03/23

次なるステージを目指す中小企業と、伴走する支援機関をつなぐ架け橋。それが、中小企業庁が運営する「成長加速マッチングサービス(通称:セカマチ)」だ。
今回、同サービスを活用する株式会社永野商店の代表取締役・永野順也氏に、成長に向けた今後の取り組みと課題についてインタビューした。30億円規模への成長を支えた「焦らない経営」とは。そして、脱炭素社会を見据えたエネルギー事業への転換と、100億円企業を目指す上で直面している組織づくりの課題にどう向き合うのか、その決意に迫る。
インタビュイー紹介
事業者紹介:株式会社 永野商店 代表取締役 永野 順也 氏
株式会社 永野商店廃品回収業から始まり、現在は金属・資源リサイクルの中間処理や災害廃棄物処理まで担う総合リサイクル企業。近年は「エヌエナジー株式会社」を設立し、食品廃棄物によるバイオガス発電など脱炭素分野へも進出。100億円企業を見据え、循環型社会の構築を牽引している。
目次
小さな体制から始まった挑戦
永野氏が入社した1990年頃、拠点は一か所のみ。ドライバーは4〜5名、現場責任者1名、パート2名という小規模な体制だった。事業の中心は古新聞や古雑誌、鉄くず、瓶などを回収する廃品回収業。持ち込まれる資源を受け取る、受け身のビジネスモデルだった。
このままでは伸びない。そう感じた永野氏は、次第に攻めの姿勢へと舵を切る。自ら車両を増やし、回収エリアを広げ、若い人材を採用して組織の力を高めていった。数年後には二人の弟も入社し、三兄弟体制が確立する。互いに補完し合いながら、10年をかけてドライバーは約15名に増加。受け身から“取りに行く”事業へと変化していった。
「慌てるな」が生んだ拠点拡大
事業拡大とともに拠点は手狭になった。永野氏は早期の移転を望んだが、二代目の父は「慌てるな」と制した。数年かけて隣地を取得し、さらに平成16年には競売物件を活用して北部事業所を開設。これにより中間処理業務が可能となり、売上は5億円から2年で10億円へと倍増した。
もし焦って条件の悪い土地を高値で取得していれば、財務体質は揺らいでいたかもしれない。永野氏は振り返る。「売上よりも中身を整えることを大切にしてきました。利益率や仕事の質を磨くことが、結果につながったと思います」。
試練を越えて得た自信
平成28年の熊本地震では、トレーラー100台以上に及ぶ災害廃棄物の処理を担った。通常業務とは比べものにならない規模だったが、社員とともにやり切った経験は、組織に大きな自信をもたらした。
一方で、その直前には社内で死亡事故も発生している。精神的に厳しい状況の中で支えになったのは、弟たちや父、そして妻の存在だった。「壁は必ず来ます。でも一人で抱え込まないことが大事なんです」。信頼できる人に相談し、支え合うこと。その積み重ねが、会社を守ってきた。
平成31年には同業他社の事業譲渡を受け、実質的なM&Aを実行。規模は約1.4倍に拡大し、売上は30億円規模へと到達した。

次世代へつなぐ新たな挑戦
永野商店は現在、脱炭素社会を見据えた新たな挑戦に踏み出している。構想6年を経てバイオガス発電プラントを竣工し、「エヌエナジー株式会社」を設立。食品廃棄物リサイクルと発電事業を開始した。既存の廃棄物事業とのシナジーを図りながら、資源循環型社会への貢献を目指している。
目標は、まず50億円、そして100億円。その背景には、東京で修行中の息子という四代目候補の存在がある。「彼に引き継ぐまでに、より強い会社にしておきたい」。数字の裏には、世代をつなぐ覚悟がある。
焦らない経営が未来をつくる
永野氏は繰り返す。「結果を急ぐと歪みが出る。だからこそ、地盤を固めることが大事なんです」。市場が変化し、既存事業が縮小する領域もある中で、成長のチャンスは脱炭素やリサイクル分野に広がっている。その機会を確実につかむためにも、足元を整えることが何より重要だという。
高い目標を掲げながらも、焦らず、止まらず、積み上げる。三兄弟で守り続けてきた家業は、次の世代へと向けて静かに進化を続けている。100億円への道のりは決して平坦ではない。しかし永野商店の歩みは、着実な成長こそが最も強い経営戦略であることを教えてくれる。

「焦らない経営」で未来を拓く。『セカマチ』で見つける、確実な成長のパートナー。
永野商店が、目先の利益よりも内部体制の充実を優先し、信頼できる身内や他社との連携によって危機を乗り越えてきたように、持続的な成長を目指すには「足元を固めること」が重要です。
しかし、脱炭素などの新領域への挑戦や、桁違いの規模拡大(100億円)を目指すフェーズでは、自社の経験則だけでは補えない課題も出てきます。そんな時、客観的な視点を持ち、リスクを共に精査してくれる「外部の専門家」が必要になります。
中小企業庁の「成長加速マッチングサービス(セカマチ)」なら、あなたの会社のペースを尊重し、確実な一歩を支える専門家と出会えます。次世代へバトンを繋ぐための土台づくりに、ぜひご活用ください。
成長加速マッチングサービスとは?
事業の拡大など新しい挑戦を考えていても、「どこに相談すればいいのか分からない」とい
う悩みを抱える事業者は少なくありません。一方で、企業を支援する専門家にとっても「支
援を必要としている事業者となかなか出会えない」という課題があります。
その両者をつなぐために、中小企業庁が立ち上げたのが成長加速マッチングサービス(通
称:セカマチ) です。
事業者は、セカマチで自社が取り組みたいテーマ(資金調達・事業承継・経営相談)を登録
すると、国が認めた支援者(金融機関や認定支援機関)から相談の申し出をうけることがで
きます。

サービスの役立つポイント
事業者に役立つポイント
●取り組みたいテーマ(挑戦課題)に対して、解決可能な支援者から直接コンタクトを受けられる
●金融機関、投資機関、認定経営革新等支援機関など、国が認めた支援機関のみが登録しているため安心
●情報公開する支援者の範囲を選べるため、希望する支援者に限定してアプローチを受けられる
支援者に役立つポイント
●中小企業庁の運営するサービスで安心
●約40,000社の事業者が登録しており、無料でコンタクト可能
●事業者の財務データや基本情報に加え、事業者の取り組みたいテーマ(挑戦課題)の具体的な内容を確認できる
●市区町村レベルでの事業者検索や、事業者が取り組みたいテーマ(挑戦課題)の種類(資金調達/事業承継/経営相談)の検索が可能で、自身の専門性に合った事業者に出会える
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